No.374 COPDの新しい治療薬ニュース: アステゴリマブの効果
2026年11月6日 呼吸器疾患のさらに新しい治療薬が待たれる領域は、肺がん、間質性肺炎あるいは肺線維症、COPD、喘息などが挙げられています。これらは、いずれも私たち呼吸器内科医が診療とする重要な疾患ですが、対する治療薬は、一部の患者さんには確かに効果が期待されますが、全ての患者さんについては必ずしも十分といえる段階ではない、というのが多くの専門研究者の意見です。 この問題と並行して検討されるべき問題点は、臨床医サイドでの判断であり、どの状態の病気に対し、どの薬が最も効果を挙げるかの見極めが十分ではない、つまり判断として用いる検査項目が十分ではない、ということも挙げられます。 COPDは、タバコ病として知られる時代がありました。しかし、現在では、喫煙が理由で発症するCOPDは、2割程度と言われ、しかも中年から高齢男性だけに多い、慢性の呼吸器疾患ではなく、胎児期にすでに起源をもつ慢性疾患という意見もあります。病気の原因、経過に関する研究成果が多くなり、病気全体の見直しが進んでいることも治療のゴールを見えにくくしている理由ともなっています。.
No.373 治療を難しくする複数の病気が共存する場合の喘息治療
2026年10月14日 高齢者を含む、成人の喘息患者では、呼吸器以外にも、少なくとも1つの非呼吸器併存疾患とよばれる合併症があることが一般的です。例えば、高血圧や糖尿病、コレステロールが高い脂質異常症の治療と喘息の治療を同時に行う必要がある場合などです。 いくつかの病気が重なり、治療を受ける医療機関が多くなれば、薬の重複、あるいは他院での投薬が喘息を悪化させるようなことが起こる可能性があります。むかし、数人の患者さんで経験したことがありますが、緑内障で使われる点眼薬の一つ、βブロッカー薬が喘息や、COPDの息切れを悪化させることが疑われたため眼科医と連絡をとり、薬を変更していただき、症状が劇的に改善したことを経験しています。一人ひとりの患者さんが持っている、お薬手帳は患者さん、薬剤師、担当医をつなぐための大切な情報源となります。 喘息の治療が、担当する医療者による意見の相違を防ぐため、グローバル・イニシアティブ、GINA(ジーナ)という国際組織があり、新しい医療情報に基づき推奨される喘息のコントロール、喘息悪化や副作用のリスク要因の評価や標準
No.372 不眠を訴える高齢者の認知症と睡眠障害の関係
2026年10月11日 高齢の患者さんの中には、寝つきが悪い、夜中に頻回に目が醒めるので熟睡ができない、昼間は眠い、と訴える人がかなりの割合でいます。第一線で働く多忙な時期が過ぎ、退職後には、のんびりした生活になり、いつでも昼寝ができる気楽な環境にあるにも拘らず、不眠の苦しみを訴える方が多くなります。 夜間、熟睡できず、頻回の寝覚めは、昼間のすっきりした生活を妨げる原因となり、これがつらいと訴えるのです。その結果、「不眠」という訴えになるようです。 さらに90歳代と70歳代を比べると、むしろより若い世代の方に多い印象があります。多くの90歳代の人では、重症の睡眠障害もなく、また最近、問題にされているように睡眠中に繰り返し起こる低酸素血症が、癌や心臓、脳の血管病変などの誘因となることがなく、これらに伴うリスクを潜り抜けてきた方が多いせいでしょうか。 草木も眠る、と表現されているように生物に共通する睡眠。新しい議論が進む中での「睡眠の質」とは何か?長い間の生活習慣に関わる、個人的な訴えですが、睡眠科学が進歩してきた現代では、客観的な指標も発
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