No.369 COPD治療で難しい増悪の判断
2026年9月9日 気候の変わり目の時期には咳や痰、息切れなどの呼吸器症状で受診する方が多くなります。アレルギーだけでなく、インフルエンザなどウィルス性の感染症も増えるのでしょう。COPDの増悪も気候の変わり目に多くみられます。 COPDはタバコ病と呼ばれた時期がありました。現在では喫煙者の2割余りが発症するだけといわれ、中高年男性に多いタバコ病というみかたは、適切ではありません。発症しやすい人がいて、しかも、一部は幼少時からすでに発症しているというデータがあります。全貌がいまに至っても明確にとらえにくい病気であることがその特徴であり、また長期の治療を難しくする点です。 COPDの典型的な症状は、咳や痰、息切れですが、これらの症状も訴え方により病状の正確な把握が難しく、かつ個人差が大きいことが知られています。COPDの経過で、注意しなければならないことは以下の3点にまとめられることが知られています。 1)経過中に起こる肺炎など感染症で急に病気が悪化する➡増悪と呼ばれる。 2)心血管病変が多い。なかでも働き盛りにおこる心筋梗塞は大問題である。
No.368 長引く咳で困っている
2026年8月28日 呼吸器の病気を疑わせる症状には、咳、痰、息切れなどがあります。中でも咳は成人が外来治療を受ける理由で最も頻度が高い症状として知られています。医学用語では咳は咳嗽(がいそう)と呼ばれています。 咳は、呼吸器疾患の共通する重要な症状の一つであり、簡単な治療で改善することも多い反面、背後に重大な疾患がある場合もあり、あなどれない重要な症状です。電車の中での咳こみやコンサートでの咳は嫌がられる気がしてためらいがちになります。長く続く咳は、日常の生活に多大な影響を与えます。 ここでは、カナダから報告された慢性の咳に関する最近の情報を整頓していきます。 咳のガイドラインは、英国胸部学会(BTS)、欧州呼吸器学会(ERS)、米国胸部医師会(ACCP)があり、わが国では日本呼吸器学会(JRS)が、『咳嗽・喀痰の診療ガイドライン 第2版 2025』を発表しています。わが国では、EBM医療情報事業(Minds)という管理機構の下にさまざまな診療ガイドラインが並ぶことになっています。Mindsは、質の高い診療ガイドラインの普及を通じて、患者
No.367 高齢者の誤嚥性肺炎
2026年8月18日 痰が多くなってきた、あるいは痰の切れが悪くなってきたという患者さんの中にものを思うように飲み込めない、むせることが多くなったという訴えの方がいます。多くは高齢の患者さんです。抗生物質をはじめ、医療技術が進んできたはずなのにどうして高齢者の肺炎は少なくならないのですか、と聞かれることがあります。また、高齢者の肺炎の多くは誤嚥性肺炎であると、いう報告も多くみられます。誤嚥性肺炎とはなにか? ここでは、厚生労働省最新情報によるわが国誤嚥性肺炎の実態を述べ、老年医学の研究の歴史が長い英国から発表された論文[1]を参考にその治療、予防に触れます。 Q. わが国の誤嚥性肺炎の実態は? ・厚生労働省最新情報における誤嚥性肺炎の実態調査。 ➡2025年の人口動態統計月報年計(概数)によると、誤嚥性肺炎は死因第6位で、死亡数は前年より減少したが、死亡率は前年と同水準で推移している。 2025年度の統計概要 ・死亡数:1,589,489人(前年より15,889人減、5年ぶり減少)。 ・死因順位:脳血管疾患(4位)、誤嚥性肺炎(
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