No.353 慢性副鼻腔炎が合併する重症喘息の治療
2026年4月10日 20年以上前に最初の抗免疫グロブリンE製剤が承認されて以来、重症喘息に対する「モノクローナル抗体療法」は、 喘息治療を大きく進歩させました 。新しい治療法は、多くの重症喘息の患者さんにとって人生を変える治療法として認識されている、とまで評価されています。近年になり、インターロイキン(IL)‑4Rα、IL‑5、IL‑5Rα、胸腺間質リンパ球増殖因子(TSLP)などの経路を標的とするモノクローナル抗体を利用した治療薬が開発され、治療はさらに洗練され、増悪リスク、経口コルチコステロイド使用量、肺機能などの主要な治療効果において大きな臨床的効果をもたらしています。 ここで取り上げる論文[1]は、 慢性副鼻腔炎と喘息との関係 を、粘膜における免疫性の異常という観点から研究した論文です。動物実験では、回答が得られにくいテーマであり、多くの患者さんたちの協力を得て気管支鏡検査を行い、生検を行って得られた検体から得られた研究結果であることも踏まえて学びたいと思います。 論文[1]では、慢性副鼻腔炎と喘息が近縁の関係にあ
No.352 問題点が大きい睡眠時無呼吸症候群とCOPDの重複
2026年3月30日 一つの病気の経過中に他の病気が重なってくる状態は 合併症 と呼ばれています。一般に慢性に経過する病気で怖いのは、連鎖となり、それぞれが悪化していき、治療によっても乗り越えられないことが多くなることが問題です。加えて加齢変化、それに伴う臓器の機能低下、という避けられない要素が加わっていきます。 合併症が多くなれば、投薬の種類が多くなることも避けられない問題点です。薬どうしの相互関係に関するデータは十分でなく、3種類以上の服薬では相互作用が読み切れない、というデータもあります。しかし、多くの慢性疾患は継続治療が必要であり、現在と将来の危険度を見据えて処方内容を考えていく工夫が必要となります。 息切れや咳、痰の症状からCOPDは気管支喘息と並び比較され、また両者が共存している患者さんを多く診てきました。COPDは気管支喘息とは異なり、多臓器にわたる病変の共存が特徴の一つです。COPDでは、合併症とは呼ばず、 併存症 と呼ばれる理由がここにあります。COPDの治療対策、考え方で参考にすべき点です。COPDの併存症の考え方が
No.351 特発性肺線維症の新治療薬
2026年3月27日 多くの臓器では組織の構造変化が、その臓器がもつ特有の働きを低下させていきます。肺では、間質性肺炎と一括して呼ばれる病気がその一つです。研究の進歩に伴い間質性肺炎は、細分化されています。その頂点にあたる難易度の高いのが 特発性肺線維症(IPF) です。頂点の治療がうまくいけば、おそらく、その亜流に近い診断を有する間質性肺炎は、それを参考にしながら進めることができる可能性があります。 過去約20年間で、 特発性肺線維症(IPF) の原因とメカニズムの理解が大きく進展しました。この進歩は、特発性間質性肺炎およびその他の 間質性肺疾患(ILD) の分類と定義の標準化に向けた学際的な取り組みの結果です。 間質性肺疾患(ILD) には 300種類以上 といわれる肺の間質病変が含まれています。その中でも原因を特定できない一群は、 特発性間質性肺炎(IIPs) と呼ばれています。IIPsは、さらに 6種の主要診断 と、 2つの稀な疾患 の計8疾患に加え、分類不能型1種の 計9種類の疾患 から成り立っています。 特発性肺線維症(IP
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